中小企業で年収1000万のおじさんマネジメント奮闘記

国立大卒・大企業経験も資格もなし(でも学びは忘れない)。キラキラした経歴でなくても、自社で存在感を増し年収アップするコツや現場で活躍される管理職の皆さんと共有したい課題などを記したブログです。

「サポートって影ながら支えることだと思っていた」といったアルバイト

先日、アルバイトのSからこんな相談があった。

 

「私がやるべき業務は理解しているのですが、計画だとその業務前準備は上長であるOリーダーが行うことになっています。ところが、Oリーダーはかなり忙しそうでその前準備に着手できない状態でありこのままだと計画通り作業が進まないのです。私はOさんを少しでも助けるために頼まれていない仕事であっても積極的に取り組もうと思うのですが、それはマネオジさん(Oの上司で部長)の考えと違うような気がして・・・どうすべきなのでしょうか?」

 

そんな内容であった。

 

前提として私とOリーダー、Sさんの位置関係はこんな感じ。

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Sさんから見て私は直属の上司ではないので、私は普段Sさんに直接業務指示することがない。日ごろから報告相談は直属の上司に行うように周知していたので、Sさんもそのことは理解したうえで相談してこられた。

 

私はSさんに、次のように伝えた。

「直接指示がない仕事を、気を使って空気を読んで取り組み、仮にそれで成果が出たとしても、それはSさんの努力でありOリーダーのマネジメント力ではない。Sさんの努力はOリーダーにとっては有難いかもしれないが、定められた仕事以外の努力は時として誰の目にも触れず適正な評価を得られない可能性がある。そしたらSさんはせっかく頑張っても評価を得られないかもしれない。それだと会社としてもSさんとしても良くないでしょう?

さらに、もし皆がそれぞれ定められていない仕事に自助努力で取り組み、各々がその頑張りを主張してきたとき、成果に対して誰がどれだけ良い仕事をしたのか組織としては評価が難しくなる。だからSさんがやるべきことは、まずはOリーダーの前準備不足で与えられた仕事に取り組めないことをひたすらOリーダーに言い続けてください。もし、Oリーダーの指示で前準備の作業からSさんに依頼してきたらそれは従ってください。ただ、その計画変更により当初掲げた目標を達成できなくても、それはSさんの責任ではなくOリーダーの責任です。私はOリーダーの未達成に対して原因を探ります。その時Oリーダーは自分の行動プロセスを反省し、改善、成長することとなります。その繰り返しで組織はレベルアップします。もし、Sさんが気を利かせて頼まれていない仕事をやっていくと、組織が成長する機会を失ってしまうことにもなりかねません。与えられていない仕事よりも、与えられた仕事の完遂が優先ですよ」

 

Sさんは

「アルバイトの立場でやることって、陰ながら上司を支えることだと思っていました。目から鱗でしたが納得できました」

と言った。

 

私はこれまで似たような部下を何人かみてきた。

「与えられた仕事」と「与えられていないがやったほうがいい仕事」の棲み分けを考えられていない部下を。

 

通常仕事は複数あり、1件1件丁寧にやって100点取ることはもはや不可能なのだが、それでも及第点は取れるように全体を管理することが自己マネジメントであり、仕事だと私は考えている。が、仕事が遅い人の特徴はすべての案件をひとつづつ丁寧に行い100点取ろうとする。結果として100点取れる案件もあるが、時間が足りなくて落第点となる案件も生じてしまい顧客からの信頼を失ったり、クレーム処理で時間がかかったり、余計な仕事が発生している。

 

部下は上司の指示をすべて丁寧にやるべきで必達であると考えがちだ。上司は部下に指示するときはそれが必達業務なのか、努力目標なのかなるべく明確にしなければならない。必達業務>努力目標であり、努力目標はできたら行う程度のものでよいと。

 

多くの部下は真面目に全て丁寧に100点狙って行動してし、結果、全体を管理出来ず苦しむ。そのことに注意しなければならないと感じる今日この頃である。